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逃げ恥1話

脚本が売られてたのでひゃーありがてーと思って買った。 好きな作品の脚本が丸々手に入ったのは初めてなのでしゃぶり尽くしたい。というわけで1話ずつ読み込んでいくことにする。これはそのメモ。

1話は見れてないので、脚本からの想像になる。まあ大体わかるんだけど。

まず情熱大陸のパロディでみくりの現状を軽く説明するパート。このドラマではテレビ的パロディが多く用いられてるけど、あんまり嫌味というかしつこさを感じない。というのも、それらのシーンがすべて説明を兼ねたシーンになっているからだと思う。連想するのは京アニ作品によくある、説明をかねた心理的アニメーションのシークエンス(氷菓によく用いられてた)。言葉で、「私は今まで~~~な感じでこういうことを考えてて~」とやるのは、まあさらっとやってもいいんだけどどうしても退屈なシーンになりがちなので、ここでパロディをいきなり突っ込んで目を引きつつキャラのバックグラウンドを視聴者になじませるというのは上手い。漫画で同じようなことができるかは難しいけど、説明パートにも面白さを入れるという姿勢は忘れないようにしたい そもそも面白く描こうとしたシーンがちゃんと面白いってすごいんだけどな。

あと、現状のシーンとそれに対する本人の間接的な台詞(この場合は「情熱大陸」へのインタビュー)を連続で切り替えるのは、アニマス天海春香の24話あたりのやつに似てる。この辺もテレビ的演出ではあるんだろうけど、参考にしたい。

雇用契約のシーン。一見突き放したような津崎の台詞からのみくりの予想外のポジティブなリアクションで、みてる側が「あ、こいつ(みくり)もどうやら普通じゃないぞ」となると同時に、この二人の「波長が合っている」という印象を与える。

百合と部下の食事の際に、風見たちが結婚について口論してるシーン。このドラマ自体のテーマである「結婚」を意識させると同時に、登場人物それぞれのスタンスを短い時間で説明している。風見をモブにすることも可能だけど、ここでスマートにできてるの良いな。

再びのみくり情熱大陸シーン。やはり説明を形を変えて表現することで、印象が少し良くなる。

十姉妹のシーン。津崎にもやわらかさみたいなものがあると示すのと、みくりがそれに気づき、好感の芽のようなものが芽生える説明。言葉がないのが良い(この時点でそこまでやるとしつこい)

網戸についての言及。基本的に見てる側は主人公=みくりに感情移入してるので、報われてよかったねってなる。褒め方も、ただ「網戸も掃除してくれたんですね、ありがとうございます」ではなくて「土曜の朝、カーテンを開けたらいつもより部屋が明るくて、なんでかなって思って、ああ、網戸だって、網戸が綺麗なんだって、気が付いて」 「すごく、気分が良くて。ありがとうございました。森山さんに家事をお願いして、良かったなって、思いました」 津崎の若干コミュ障っぽいところと、しかし丁寧に思うままを述べる様が出てるいいセリフの流れだと思う。開幕から積み上げてきたみくりの自己否定感を払拭する台詞が入っているのも良い。

最後の事実婚提案シーン。主婦の年収の提案のところでみくりが金額をいうところでも、「波長が合っている」ということを感じさせる。

カット番号あったのでこれからはそれつけていく。

73 事実婚の同意から二人が初めて共同作業(みくりの荷物を回収する)をするという流れの最後でつがいの十姉妹を映しているのがメタファーが効いている

76 一回のフェイントが微笑ましい。ヘタレっぷりが出てると同時に、両親のミクリの扱いについての態度も表現できている。

77 最後 「妻として正式採用された」ということばのちぐはぐさがこのドラマ全体のおかしさを演出している。 津崎が最初の方で「結婚は自分から最も遠い行為だ」と言っていたのもここの周囲の驚きの伏線になっている

かなり綺麗な1話だと思う。一つの導入の形として学ぶところが多い。特に自分はモノローグに頼り過ぎなところがあるので、参考にしたい。

ついき:原作を買ってみた結果結構ニュアンスに変更が加えられていることがわかった。ドラマの方が割とドラマ要素が強い。津崎が基本目が見えない眼鏡キャラでキャラとしてあまり移入対象にならない(少なくとも現時点では)。ドラマでは星野源が演じるということになってあのようなコミカルなキャラクターに再設定されたんだと思うけど(そもそも漫画的表現をドラマに持ち込めないのでどのようにしても漫画よりは人間要素が強くなりはするだろうけど)、割と漫画だとみくり主体で話が進んでるように感じられた。あと、大きな違いを感じたのが、いわゆるみくりの「小賢しさ」とそれと津崎のウマが妙に合うことでが生まれた「この二人の波長があっている感」が原作ではほとんど前面に出されてなく、本当にただの提案を受けた、みたいな感じになっている。もちろん十姉妹のくだりもないし、網戸のくだりもかなりシンプル。もともと成人女性向け漫画は割と演出薄めに淡々と進む印象があるけど、かなりドラマで肉付けされてたんだなあと思った。脚本の人も、原作は思考実験的な要素が強いと言っているように、あくまで原作は「原作」としての存在で、それを「ドラマ」にしたものがあの脚本なのかもしれない。かなり勉強になった。