東京日報

センチな気分になったので久々に文章を書いてみる。自分の頭の中を整理するためのもので人が読むことは考えてない。

多分このままいくと、7月いっぱいで東京生活は終わりで、また元の京都の生活に戻ることになると思う。本当は8月末までいようかなと思ってたんだけど、いろいろあってやっぱり7月の方がいいかな、と思ったのでそうすることにしたい。

なんで東京なんかまで来て働いてるの、という説明を結局ちゃんと他の人にしたことがない気がするので、その辺のことをまず書いておきたい。

ぼくは現在情報学科に所属してて、コンピューターサークルの一員でもある。今年で4回生なので、そこそこ年季が入っている方だと思う。

もともとプログラミングの経験なんてものはなくて、後期入試(筑波大学の予定だった、第一志望に受かったので結局受けには行かなかったのだけど)の話のネタになるかな、と思って高三の前期試験が終わってからだから、2月くらいかな、そのあたりにVirtualBoxUbuntuを入れてpythonHello worldしたのが最初の経験だったと思う。

パソコンは好きだったんだけど、ほとんど娯楽としてのインターネットが好きなのと感情が混同してて、多分手を伸ばせばすぐ手に入ったのかもしれないそういう道へのきっかけを、でもぼくは大学生になるまで認識することはなかった。情報学科に入ったのもつきつめればなんとなく、と言っていいほどのレベルだったと思う。模試ではそこそこっぽい成績を出していたりはしたんだけど、それでもなんとなく自分の受験に対する当事者意識みたいなのは薄くて、今でも実は「自分だけ大学生ではない」という夢を見ることがある。自覚的な選択ではなくて自動的な状態遷移で環境が変動したから、まだ実感できてないんだと思う(一応最終学年なんだけど)。

話がそれつつあるな。そんで大学に入って、一応情報学科なんか選んでる人間だから一応パソコンとかに一般人+αくらいの興味があるわけで、サークル紹介冊子をみるとコンピュータークラブなんてものがあるから見に行ってみるとなんだかすごい世界が広がっていて、ぼくはその場で入会を決めてしまった。空気にあてられた、という表現でもいいかもしれない。ものすごく分かりやすく言うと、黒い画面で「ッターン!」みたいなことをしている人がいっぱいいるとすごい、かっこいい、ここに入ればこんな感じの人間になれるんだ!って思ってしまったわけだ。補足だけど今でもぼくはブラインドタッチちゃんとできないし、UNIXの基本的なコマンドもあんまり知らない。

さてそういうところに入ってぼくがプログラミングバリバリにできるようになったかというと残念ながらそうではない。それは、大学以前からそういうことをやってた人間と比較して、とかじゃなくて普通にできないのだ。ぼくよりあとに学んだ人がどんどんぼくより知識や経験を積んで、ぼくにできないことをできるようになっていく。

ここでちょっと自分語りになるんだけど、ぼくは今まで部活とか、あるいは習い事とか、そういうの類ものをほとんど一切やってこなかった(学習塾以外)。中学の時ちょっとピアノを習ったことがあったけど、自分で希望して通わせてもらってるにも関わらずほとんど練習せずに全く上手くならなくて、受験を理由にしてやめてしまった。そのせい、っていうか原因でもありどんどん結果として遡っていくものだと思うんだけど、ぼくは何かに熱中して多少辛いことがあっても諦めず頑張ったりとか、そういうことを達成した記憶が一つもない。大学受験に成功したのは偶然で、ぼくにとって受験勉強がたまたま苦ではなかったからだと今は思っている。

実際にはそういう根性論と、あと適性とか色々込みではあると思うんだけど、とにかくぼくはほっておくと何も身につけないまま時を過ごしてしまうことがわかった。

あともう一つ。ぼくはプログラミングとかのことがそんなに好きかっていうと多分そうじゃない。多分、ゲームと同じくらい好き、って感じだと思う。ぼくはゲームに対して、なんか面白そうな奴があったら買ってみて、クリアするなら一通りクリアなどして、(難しかったらやめる)、コンプ要素とかは全然達成しないみたいなスタンスだけど要するにこんな感じ。三度の飯よりプログラミング、みたいなことはない(ぼくは飯の優先度が他人より低いからたまにはそういうことがおこってるかもしれないけど)。

でも、ぼくはプログラミング好きな人は割と好きなんだな。たぶんもうちょっと一般的で、何かちゃんと好きなものがあって、日常的にそれについて活動できていて、それについて楽しそうに話す人が好き。で、ぼくがたまたまコンピューターサークルにいるから、そういう人は必然的にできる人ばっかりということになる。好きな娘の話を合わせるために同じ漫画を読んでみるとかそういう感覚で、ついていきたいなと思わされてしまう。実際にはどんどん差が開いているわけでそれは当然モチベーションの差から生まれるものだ。なまじ嫌いでもないから諦めきれない。ぼくも好きなことは好きなんだけど度合いが違いすぎる、という話。

というわけでちょうど留年したのにかこつけて、現場に無理やり入って学ぼう、と思ったのが東京に来たざっくりとした理由。なんで東京にまで、というのは周りに知り合いがいない環境じゃないとなんか嫌だったからというのがある。なんだかずっとプログラマーと話してると何にも(本当に、何にも)わかってなくて、できなくてもなんだか話だけは通じてしまうので、ぼくの周りの人はたぶんぼくのことを「まあめっちゃできるってわけではないけど、人並みくらいにはできるやつ」と思っていることが多い、適当に話を合わせてしまうぼくのせいでもあるんだけど、ぼくは本当に何もできないし、何もわかっていない(こういうことをよくいう人がいるけど、これを読んでるあなたと比べてどうか、とかは関係ない。ぼくは自分のことをこう思っている、というだけの話なので、いやいや世間のレベルから見れば〜みたいな慰め?は意味がない)。そういうことがバレるのは嫌だった、というところがかなり大きい。

正直なところ、その力というかみたいなもので印象操作して受け入れてもらったみたいなところがあるので、かなり受け入れ先には迷惑をかけてしまっている。こちら側からこういうことをいうのはおかしいことはわかっているけど、インターンなんて負債になることをわかって、ほぼ青田刈り候補として取る、くらいの認識ではいるんだと思う。それでも技術云々のレベルではなく、働く人間としてというレベルの指摘を受けることが多い。それは結構自明な問題で、恵まれた環境にいながらこういう人間になったということは、何かしらの欠陥が存在するということで、この二、三年で身につけたほんの少しの技術で賄いきれる欠陥ではない。技術なんてものは言ってしまえばただの事実(でしかなく、そんなものは覚えればいいだけの話なので重要じゃない。

残り時間のあと一ヶ月でぼくが抱えているもっともまずい癖というか欠陥みたいなところが発覚したので、最後にこれを治す、あるいは対応する何かしらの習慣だけでも身につけることを最後の目標としたい。あんまりこういうことを言いたくないんだけど、たぶん人間は習慣でしか変われなくて、あくまで各出来事は習慣を発火するきっかけでしかない。

響け!ユーフォニアムというアニメの中で主人公が楽器の演奏がうまくないことに悔しがるあまり走るシーンがあるんだけど、ぼくはこんな風に思ったことがない。だって泣くほど悔しい思いとかしたくないじゃないですか。でもそういうことをやってこなかったらこういう人間になるのかと気づけたので今からでも何か見つけたいな、と思った。ぼくにとってそれは残念なことにプログラミングとかではないみたいだけど、やっぱり嫌いじゃない上にこの行為はお金がもらえる。あくまで相性のいいビジネスパートナーとしての関係を続けていくのと同時に、なにかアイデンティティーを探さないとなあ、と思った。

最後に。会社には本当に迷惑をかけていると思うし、端から見ると色々と馬鹿なことをやっている自覚は十分になるのだけど、それでも今の段階でこういう行動を起こしてよかった、と思う。何事もやったほうがいいとか無責任なことをいうつもりはなくて、納得できるならやってもやらなくてもそれでいいと思う。ぼくは今回の東京の出稼ぎ(全く稼ぎになってないんだけど)で、自分に対する納得を得れたし、これは大切なことだと思っている。